契約書の収入印紙 2通以上あるときの課税対象は?

「契約書が2通とか3通あるとき収入印紙はどれに貼ればいい?」
「印紙が必要なのは原本だけ?写しはどうなるの?」

この記事は、そんな方へ向けて書いています。

先取り結論

  • 契約書を2通以上作成した場合は、全て収入印紙を貼る必要あり
  • 単にコピーしただけの契約書写しは課税対象外
  • 写しでも契約の成立を証明するものであれば課税対象

契約書が2通以上ある場合 収入印紙は?

印紙税法で課税文書とされている契約書等は印紙税の課税対象となり、指定された額の収入印紙を貼らなければなりません。

1つの契約で複数の契約書を作成する場合

では、契約書が2通以上ある場合はどうなるのかというと、2通以上の契約書全てに収入印紙を貼る必要があり、3通あれば3通全てが課税対象です。

印紙税というのは、国税庁の公式ページで

印紙税は、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書)など特定の文書に課税される税金です。

と記載されている通り、契約に対しての課税ではなく、契約書等の「文書」に対して課税されているため、複数作成した場合にはその全てに印紙を貼る必要があるのです。

契約書の写しの扱い

一般的に契約書は相手方と双方の分で2通作成、1通を正本、もう1通を副本や写しなどとして、お互いに記名・押印して契約が成立します。

このように、複数の契約書をそれぞれ正本や副本・写しなどとしても、いずれも「契約の成立を証明する目的で作成された契約書」にあたるため、それぞれに印紙を貼らなければなりません。

例えば2通のうち1通がコピーだったとしても、所持者となる本人以外、相手方の押印がなされていれば、それも課税対象です(所持する者自身の押印のみであれば課税対象外)。

ただし、単にコピーしたりFAXや電子メールで送信しただけのもので、押印や署名のなされていない文書であれば、それは課税対象とはなりません。

つまり、契約の証明となるかどうか、というのが判断基準となるのです。

印紙税とは

印紙税というのは、印紙税法で「課税文書」とされている文書を対象として課税される税金です。

印紙税法により20種類の文書が課税文書として定められており、その課税文書を「課税事項を証明する目的」で作成すると課税されます。

課税されるかどうかは、その文書の名称などに関わらず、内容が課税事項を証明するものかどうか、といった点で判断されます。

ただし、金額などによって非課税扱いとなる文書もあります。

課税文書とは

印紙税法での課税文書というのは、第1号文書から第20号文書まであり、それぞれ記載される金額などにより印紙税額が定められています。

印紙税法上の課税文書には、

  • 不動産等の売買・譲渡契約書
  • 工事請負契約書
  • 売買取引契約書
  • 業務委託契約書
  • 約束手形・為替手形

などがあります。

例えば、第1号文書は

[不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書]
不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書など
(注) 無体財産権とは、特許権、実用新案権、商標権、意匠権、回路配置利用権、育成者権、商号及び著作権をいいます。
[地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書]
土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書など
[消費貸借に関する契約書]
金銭借用証書、金銭消費貸借契約書など
[運送に関する契約書(傭船契約書を含む。)]
運送契約書、貨物運送引受書など
(注) 運送に関する契約書には、傭船契約書を含み、乗車券、乗船券、航空券及び送り状は含まれません。

国税庁[令和3年4月1日現在法令等]第1号文書から第4号文書までの印紙税額の一覧表より引用

と定められており、その記載金額が10,000円未満であれば非課税、それ以上であれば契約書1通ごとに200円から最大で60万円までの印紙税が掛かります。金額の記載のない契約書であっても1通あたり200円です。

1千万円超5千万円以下の不動産売買契約書であれば、1通につき2万円の印紙を貼る必要があり、契約書を2通作成すれば、2万円×2通分の4万円、3通であれば6万円の印紙税が課税されるわけです。

収入印紙で知っておくべきルール

課税文書に印紙を貼る際には、事前に知っておくべきルールというのがあります。

収入印紙の貼り忘れに注意

収入印紙を貼り忘れると、それが故意でも過失でも、理由に関わらず過怠税(かたいぜい)を課されます。過怠税は印紙税法で定められた印紙税額の2倍。つまり、もともとかかるはずだった印紙税にプラス過怠税となり、トータルで3倍の印紙税負担しなければなりません。

また、印紙税の金額を間違えて、印紙の金額が不足していた場合も貼り忘れたときと同じ扱いとなり、過怠税が課せられます。

ただし、国税庁からの調査を受ける前に自主的に申し出た場合は1.1倍に軽減されます。貼り忘れや間違いに気付いたらすぐに納付しましょう。

収入印紙の割り印も不可欠

契約書に収入印紙を貼った際には、割り印が必須です。

印紙税法第8条第2項にて、

課税文書の作成者は、前項の規定により当該課税文書に印紙をはり付ける場合には、政令で定めるところにより、当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない。

とあり、押印か署名で綺麗に消印をしなければなりません。これは印紙の再利用防止が目的で、消印が正しくなされていなかった場合も、過怠税が課されます。この場合の過怠税は、消印されていなかった印紙と同額です。

この消印は、契約当事者でも、その契約書を作成した従業員でも、いずれかの押印か署名が1つあれば問題ありません。ただし、押印・署名した者の氏名や称号を明確に消印する必要があります。もちろん再利用防止が目的ですから、鉛筆での署名はNGです。

うっかりミス等で過怠税が加算された場合、法人税の損金や所得税に必要経費に参入できませんので十分に注意しましょう。

電子契約書で経費やリスク削減

印紙税のかかる契約書の印紙貼り付けのルールなどを紹介しました。印紙税について、最低限実務上でのミスは避けたいものですね。

印紙税の負担も、過怠税などのリスクも、ゼロにする方法は電子契約書の導入です。

電子契約書であれば、印紙税は課税対象外。さらに製本や押印、契約書のやりとりや発送、保管や管理などの手間やそれにかかるコストも削減可能です。

省けるコストを極力抑えつつ、企業全体の効率化を図り、本来注ぐべき部分にマンパワーを注ぐことができれば大きな費用対効果も望めることでしょう。

収入印紙 課税対象まとめ

  • 契約書を2通以上作成した場合は、全て収入印紙を貼る必要あり
  • 単にコピーしただけの契約書写しは課税対象外
  • 写しでも契約の成立を証明するものであれば課税対象

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