クラウドサインとは?電子契約サービスの概要とメリット・デメリット

「クラウドサインについて知りたい」
「電子契約サービスについて理解を深めたい」

この記事は、そんな方へ向けて書いています。

先取り結論

  • クラウドサインは、累計登録社数No.1の電子契約サービスである
  • 電子契約サービスとは、契約等の書類を電子化しクラウド上で管理するサービスである
  • おすすめのプランは月額¥28,000だが、無料のお試しプランも存在する

クラウドサインとは?

クラウドサインとは、「弁護士ドットコム株式会社」が運営している、大手の電子契約サービスです。電子契約利用企業の約80%がクラウドサインを利用しているといわれています。

実際にグーグルトレンドで「クラウドサイン」と「電子契約」を比較すると、検索の人気度が高まっていることに加え、「電子契約」との差が開いてきていることが分かります。つまり益々、「電子契約サービス=クラウドサイン」という認識が広がっていると言えます。

クラウドサインのサービス内容、料金、導入企業例について解説します。

サービス内容

クラウドサインは、内容の合意が事前に済んでいる契約書・発注書等の書類をクラウド上にアップロードし、相手方が同意することにより、相互同意を証明する電子署名が施される電子契約サービスです。

下記のような書類を作成することが可能です。

  • 雇用契約書
  • 申込書(注文書)
  • 秘密保持契約書
  • 業務委託契約書
  • 基本契約書
  • 売買契約書
  • 対面契約
  • 請負契約書
  • 賃貸借契約書
  • 人材紹介基本契約書
  • 業務提携契約書
  • 代理店契約書
  • ライセンス契約書
  • 債権譲渡契約書
  • サービス利用契約書
  • 確認書
  • 誓約書
  • 選手契約書
  • 顧問契約書

紙面での作成が法律上義務付けられているものを除き、ほぼ全ての種類の契約書等を作成することが可能です。特殊な業界でない限りは、困ることはまずないでしょう。

また、下記のサービスと連携することが可能です。

外部システム名 連携機能
Box 契約書の作成・交渉から締結・保管までのシームレスな連携
kitone
  • kintoneで管理している顧客情報から帳票を作成して、顧客先へ帳票を送信・書類管理までをkintone上で一括操作
  •  kintoneで紙で締結した契約書とクラウドサインにて締結した契約書の一元管理
  • 対面で契約・申し込みを行い、入力された顧客情報をkintoneで管理
  • 申し込みのウェブフォームに入力された顧客情報をkintoneで管理
Salesforce
  • Salesforce上で管理している顧客情報から帳票を作成してクラウドサインで送信・締結
  • 帳票作成は別で行った上で、Salesforceの顧客に対してクラウドサインで契約締結・管理
  • 対面での契約・申し込みを行い、入力された顧客情報をSalesforceで管理
Hubble Hubbleで作成したWordの契約書をワンクリックでPDFファイルに変換、クラウドサイン上にアップロードし、送信可能
Slack 送信した書類の進捗状況を、Slackに通知することが可能

料金

クラウドサインの料金設定は下記の通りです。

Free Light Corporate Enterprise
月額固定費用(税抜) ¥0 ¥10,000 ¥28,000 問い合わせ
送信件数ごとの費用(税抜) - ¥200 ¥200 問い合わせ
ユーザー数 1人 無制限 無制限 無制限
送信件数 月/5件 無制限 無制限 無制限
機能一覧
  • 電子署名
  • 書類作成・送信
  • 電子署名+タイムスタンプ
  • 高度な認証リクエスト機能
  • テンプレート作成・管理
  • 英語、中国語での契約締結
  • 二要素認証
  • チーム管理
  • 書類作成・送信
  • 電子署名+タイムスタンプ
  • 高度な認証リクエスト機能
  • テンプレート作成・管理
  • 英語、中国語での契約締結
  • 二要素認証
  • チーム管理
  • 紙の書類インポート機能※
  • 監査ログ機能
  • Web API
  • 書類作成・送信
  • 電子署名+タイムスタンプ
  • 高度な認証リクエスト機能
  • テンプレート作成・管理
  • 英語、中国語での契約締結
  • 二要素認証
  • チーム管理
  • 紙の書類インポート機能※
  • 監査ログ機能
  • Web API
  • 複数部署管理機能
  • SSO(シングルサインオン)機能
  • IdP連携機能
  • IPアドレス制限
  • 承認権限設定
  • 親展機能
  • アカウント登録制限
  • 電話によるサポート

※10,000書類まで無料、10,000書類を超えた場合は10,000書類毎にインポート書類保管費用10,000円/月(税込11,000円/月)

クラウドサインに興味がある人は、まず無料のFreeプランで最低限の機能を試すことができます自動で課金されることはありません

有料プランの中で、公式が最もおすすめしているのはCorporateプランEnterpriseプランです。しかし、紙で締結した書類のPDFファイルをアップロードし、クラウドサイン上で一元管理する「紙の書類インポート機能」が不要の場合は、半額以下のLightプランでも十分です。月/¥18,000の固定費の差はかなり大きいので、紙面での契約書は無料のPDFスキャンアプリで管理するなどの方法もあると思います。

また、Enterpriseプランは複数部署管理機能、承認権限設定、IPアドレス制限など、Corporateプランよりも高度な内部統制機能が加わったプランです。毎月大量の契約書等の書類を作成する企業や、部署数の多い大企業向けです。

導入企業例

クラウドサインを導入している大手企業を紹介します。

  • みずほ証券
  • 野村證券
  • 東京海上日動
  • クレディセゾン
  • TOYOTA
  • BRIDGESTONE
  • YKK AP
  • Calbee
  • Nestle
  • Daiwa House
  • 三井不動産レジデンシャルサービス株式会社
  • 野村不動産
  • TamaHome
  • リクルート
  • ライザップ
  • JTB
  • メルカリ
  • ZOZO
  • Square Enix
  • Baidu 百度 Japan
  • cybozu
  • Money Forward
  • bellFace

みなさんが一度は利用したことがある、もしくは聞いたことがある企業名がたくさん並んでいると思います。ここからも、クラウドサインの信頼度が高いことが伺えます。そして上記で紹介した大手企業以外にも、上場企業や金融機関等、10万社以上が導入しています。

電子契約サービスとクラウドサインのメリット・デメリット

電子契約サービスとクラウドサインのメリット・デメリットについて解説します。

電子契約サービスのメリット・デメリット

電子契約サービスのメリット・デメリットは下記の通りです。

電子契約サービスのメリット

  • コストカット
  • 業務効率化
  • コンプライアンス強化

紙の契約書作成には、下記のような経費が必要です。

  • 紙代
  • インク代
  • 製本テープ代
  • 印紙代
  • 切手代
  • 人件費
  • 保管料

電子契約サービスを活用することで、これらの経費を限りなくゼロに近づけることができます。

また、紙の契約書を取引先と締結する場合には、下記のような工程が必要です。

  1. 製本作業
  2. 捺印申請・社内稟議
  3. 取引先へ送付
  4. 送付完了の連絡待機
  5. 捺印待機
  6. 書類の返還
  7. 管理台帳への記載、保管

電子契約サービスを活用することで、この工程の2番目、5番目以外は全て省略することが可能です。

最後に、電子契約サービスで利用する電子署名・タイムスタンプ等の機能により、契約内容の改竄リスクを最小化することが可能です。書類を電子化し、データベースをクラウド上に保管することで、管理漏れ・情報漏洩を防ぐこともできます。

電子契約サービスのデメリット

  • サイバー攻撃のリスク
  • 電子契約不可書類の存在
  • 社内外の調整

紙の契約書が盗難や改竄のリスクがあることと同様に、電子契約にも管理サーバーへのサイバー攻撃の危険性があります。つまり、電子契約サービスを選択する際には「セキュリティの高さ」も重要な選択基準です。

法律上、電子契約が不可な書類が存在します。

  • 定期借地契約(借地借家法22条)
  • 定期建物賃貸借契約(借地借家法38条1項)
  • 投資信託契約の約款(投資信託及び投資法人に関する法律5条)
  • 訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引における書面交付義務(特定商品取引法4条etc)

これらの書類は紙面での交付が義務付けられています。しかし、法律も常に変わり続けており、数年前までは誌面が義務付けられていた書類も、今は電子化が許可されていることも多々あります。従って、上記の書類の電子化が許可される日も遠くないかもしれません。

電子契約サービスを導入する際には、今までとは異なる契約フローになります。社内における説明のこと、取引先への説明・説得には労力がかかります。特に地方の企業では電子契約サービスの理解を得ることが難しく、書類は絶対に紙面でなければならないという企業も多く存在します。

クラウドサインのメリット・デメリット

クラウドサインのメリット・デメリットは下記の通りです。

クラウドサインのメリット

  • UI・UXが使いやすい
  • 弁護士ドットコム株式会社が運営元である(法律への深い理解、知見・弁護士監修あり)
  • 電子契約サービス市場 累計登録社数No.1(10万社以上) 

クラウドサインのデメリット

  • 書類を1通送付毎に、料金が発生する(誤って送信した場合も含む)
  • スマートフォン 書類送信非対応

クラウドサイン についての口コミ等では、デメリットとして「書類を1通送付毎に料金が発生する」という点が取り上げられています。しかし、紙面での契約書等の作成にはより多くの費用がかかっているという指摘もあるため、実質クラウドサインの方がお得であると言えます。

ビジネス向けIT製品・クラウドサービスのレビューが集まるWebサイト「ITreview」によると、クラウドサインの総合評価は星5の中で4.2を記録しています。同サイトでSlackが4.0、Zoomが4.1の評価を受けていることを考えると、総合的には高い評価を受けていることが分かります。

クラウドサインの類似サービス10選

クラウドサインの類似電子契約サービスには、下記のようなものがあります。

  • BtoBプラットフォーム 契約書
  • WAN-Sign
  • リーテックスデジタル契約
  • DocuSign
  • Holmes
  • GMO電子印鑑Agree
  • Adobe Sign
  • NINJA SIGN
  • LegalForce
  • paperlogic

また、電子契約サービスを選択する際のポイントは下記の三つです。

  • セキュリティ機能の高さ
  • 対応書類の種類
  • 無料版の有無

以上、クラウドサインと電子契約サービスについて解説しました。

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