「ChatWork上のメッセージが管理者に見られているか確認したい」
「ChatWorkの監視機能がどう動作するのか知りたい」
この記事は、そんな方へ向けて書いています。
ChatWorkの規約と照らし合わせ、運営への問い合わせも複数回行いながら書いたので、公式を含めたどの記事よりも詳しく、見やすいと自負しております!
先取り結論
- 最上位プランであるエンタープライズプランのみ、メッセージログのエクスポート機能がある
- 自身のグループのプランがビジネスかエンタープライズか確実に見分ける方法は無い
- マイチャットや1対1のダイレクトチャットもエクスポート対象
- ログのエクスポート前に削除されたメッセージは、管理者であっても閲覧不可能
目次
ChatWorkにも監視機能が存在する
Slack(スラック)と同様、チャットワークにもメンバーに対する監視機能が存在します。
ただし、有料プランの中でも大企業向けであるエンタープライズプランのみに監視機能が備わっています。
管理者は、送信したファイル、受信したファイル、メッセージ等を閲覧することができます。
監視機能の無いプランであれば見られることは無い
上記のように、フリープラン、パーソナルプラン、ビジネスプランであればチャットログを確認する手段がありません。
「利用内容の確認」ページにアクセスして、自分のプランを確認してみましょう。
このページは、現在ご利用中のプランの管理者のみ閲覧可能です。
このような表示が出た場合、あなたは「ビジネスプラン」または「エンタープライズプラン」に該当します。
その場合、自身(の所属する組織)がどちらのプランに該当しているか、チャットワークのプラン管理者に聞く必要があり、それ以外でどちらのプランかはっきりと確認する方法はありません。
以上がエンタープライズプラン特有の機能です。
ファイル送受信の制限、モバイル端末制限、SNS連携制限等がかけられている場合は、エンタープライズプランの可能性が高いと言えるでしょう。
また、ビジネスプランの場合はメッセージログの閲覧は不可能ですが、管理者は最終ログイン日時等を確認することができます。
名前、メールアドレス、最終ログイン日時、使用ファイル容量(MB)
エンタープライズプランの監視方法
エンタープライズプランにおける監視とは、具体的に以下のものを指します。
- 管理者が参加メンバーに含まれているチャットの閲覧
- 組織内のユーザーが参加している全てのチャットログのエクスポート、閲覧
基本的に、管理者自身が参加メンバーとして含まれているチャット以外は閲覧できません。
しかし、管理者は、組織メンバーの参加している全てのチャットログについて、それらをエクスポートして閲覧することができます。
結局のところエンタープライズプランの場合は、管理者は全てのチャットログを閲覧可能、ということですね。
ダイレクトチャットもログ保存対象、マイチャットは対象外
管理者は、メッセージログをエクスポートすることによって、ログ等が保管されたCSVファイルを手に入れます。
■「members」フォルダについて
組織内のユーザーが1人以上参加しているルームの一覧と、参加メンバーが確認できます。
ルームごとに、アカウント情報、ファイルパスなどの情報があります。■「rooms」フォルダについて
組織内のユーザーが1人以上参加しているルームごとのメッセージ、ファイル、メンバーのファイルを確認できます。
グループチャット等、メッセージの交換(送信、受信)が行われる場所を「ルーム」とし、ダイレクトチャットを含めたあらゆるログが取得できます。
一つのルーム(チャットルーム)につき、以下のようなデータが取得できます。
- メッセージ
- ファイル
- メンバーのファイル
一人以上参加しているグループが対象であることから、1対1のダイレクトチャットもエクスポート対象となります。
また、チャットワーク公式に問い合わせたところ、マイチャットはエクスポート対象外だそうです。個人用メモとして使われることが多いマイチャットですが、こちらは監視対象ではないようです。安心ですね。
- ダイレクトチャットも監視対象
- マイチャットは対象外
メッセージ削除時の挙動について
まずメッセージログではなく、グループチャット等での削除メッセージの挙動について解説します。
こちらは有料・無料といったプランや、権限に関係なく誰でも行えるものです。
「テスト(削除するメッセージ)」を削除してみます。
すると、そのメッセージは跡形もなく消え去りました。
LINEのように、「○○がメッセージの送信を取り消しました」という文章も残りません。
しかし、事前に削除ログを表示する設定にしておけば、グループの参加者は削除された事実は知ることができます。
ChatWork右上のアカウント名をクリックして、「環境設定」をクリック。
「メッセージが削除されたログを表示」にチェックを入れると、これまで削除されたメッセージも含めて、削除された事実を知ることができます。
以上が、プランや権限に関係なくできる削除ログの設定です。
- メッセージが削除された事実は、プランやメンバー権限に関わらず確認可能
- 他人のメッセージは削除できない
エンタープライズプランにおけるメッセージ削除ログ
エンタープライズプランにおける削除したメッセージについて、メッセージログや挙動がどうなるか、結論から記述します。
- メッセージが削除される前にバックアップをとっておかないと、管理者でも見ることが出来ない
- メッセージの削除後にエクスポートされたチャットログには、「削除した事実」は残る
- メッセージの削除後にエクスポートされたチャットログには、、削除した内容(メッセージ)そのものはチャットログに残らない
- 削除したメッセージは、警察・裁判所の要請なので必要な場合だけ、問い合わせフォームを通じてチャットワーク側が開示に応じる場合がある
「管理者に見られたらまずい会話をしてしまった!」「別の会社の話をしてしまった」といったときは、その場でメッセージを削除しましょう。
基本的に管理者が参加してないグループにおいて、そのチャットを閲覧する方法は、チャットログをエクスポートして閲覧する以外にありません。
エクスポート前に削除されたメッセージについては、エクスポートファイルにおいてもその内容は記述されず、削除した事実のみが表示されます。
つまり、「メッセージの削除」と「エクスポート」の順番が重要で、削除後であればエクスポートされても閲覧されません。逆に、メッセージの削除前にエクスポートされたものは、もしChatWork上で削除されたとしても、管理者が閲覧可能なので注意しましょう。
削除されたメッセージであっても、それを閲覧する最終手段として、「管理者によるChatWork運営への問い合わせ」が挙げられます。
しかし、これは警察・裁判所の要請等に応じて、ChatWork側が開示に応じる可能性がある、というだけです。確率としてはかなり低く、単なる従業員のモニタリング目的では、プライバシー保護の観点もありChatWork側がそう簡単に応じるとは考えにくいので、安心してください。
利用者の操作により削除されたデータについては、データ復旧およびログデータのご提供などはおこなっておりません。
削除されたデータ開示については、電気通信事業者法第4条に基づく「通信の秘密」の保護に関わる事項のため、
捜査機関や裁判所などの行政・司法機関から、法律に基づく開示請求をいただき、対応の必要性があると判断した場合のみ対応しております。そのため、利用者や弁護士などからの開示請求にも原則応じることはできません。
行政機関にご相談いただき、行政機関にて対応されるとのことであれば、行政機関経由にてお問い合わせの程お願い致します。
ChatWork公式の「よくある質問」にも以上のように書かれており、行政機関を通さない管理者からの問い合わせに応じる可能性はほぼゼロと考えて良いのではないでしょうか。
今回は、ChatWorkにおけるエンタープライズプランの監視機能について解説しました。
プランや権限、チャットツールの種類に関わらず、人に見られたくない会話、失礼にあたる会話は普段から避けましょう。見られたらまずい話を記録の残る場所で行うのはセキュリティ意識が欠如している証拠。
いつどこで誰が聞いているのかわからないので、怪しい会話や行いは極力避けるようにしましょうね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。